
我が子が、アプリやYouTubeに夢中になりすぎる!

オンラインゲームの依存症になってしまうかも!

頭が悪くなってしまうかもしれない…。
こんな悩みは、子どもを持つ親ならば、たいがいは経験したことがあるのではないでしょうか。
30年以上前、私が子どもだった時代。
心配する親の標的は「ゲーム」と「漫画・アニメ」でした。「志村けんのバカ殿様」などの低俗とされたテレビ番組も、そこに入っていたかもしれません。30年前のそれらの娯楽が、今の大人世代にどんな影響を与えたかは、評価の分かれるところです。
そして、現代。
今の子どもたちの時代になって初めて生み出された、オンラインゲームやアプリなどの「IT」のあそび。子どもたちにとって、悪影響なのかそうでもないのかという評価は、まだまだずっと先のことになるでしょう。
しかし、こと発達に偏りがある子どもに関しては、「IT遊び」はけっこう深刻な問題を引き起こしやすかったりします。
娘と息子のかかっている小児科の主治医も、ゲームやアプリは絶対反対派です。習い事の先生もそうです。(我が家は、ゲームをしていることを内緒にしています…。)
今回は、我が家の子どもたちにIT機器を使わせている様子と親としての考え方について、まとめてみたいと思います。
発達障害の子どもに、IT機器を使用させるときに心配なこと
現代社会に生まれた我が家の娘と息子は、ご多分にもれず、YouTubeやパソコンゲーム、アプリなどが大好きです。
しかし、利便性が高くても、モラルやルールがまだまだ未熟な、インターネットの世界。
またそもそも、YouTube規約には「あなたが13歳未満の場合、YouTubeウェブサイトを利用しないで下さい。」とあります。(我が家では、親が一緒に見ながら内容をチェックしています)
危険性のつきまとうWebの世界では、発達障害のあるなしにかかわらず、子どもがITに触れる上で注意しておかなくてはいけないポイントがあります。
エルサゲート問題とは?
エルサゲート問題とは、
のことです。2017年ころから問題視されているコンテンツです。
例えば、「スパイダーマンがディズニー映画のキャラクターエルサを殴る」などの動画です。
Googleでもこれは問題視され、
- 子どもへの不適切な内容
- 著作権法違反
などの観点から、YouTubeコンテンツを厳しく見張っているようです。しかし、その線引きは難しく、制限モードを有効にしていても、すり抜けたグレーな悪質コンテンツが表示されることがあります。
ブルーライトや小さな画面の、目への悪影響
「スマホ老眼」という言葉も、現在はすっかり認知されています。
たしかに、小さな画面を長時間見つめ続けることは、目に悪影響を及ぼすと思います。私も40にさしかかることから、もれなくスマホ老眼を自覚しています。目がブルーライトに長時間さらされることも、良くない影響があるといわれています。
娘は今のところ、学校の視力検査でも引っかかったことはありませんが、気を付けるに越したことはありません。
夢中になりすぎて、切り替えられない
発達に偏りがある子どもは、気持ちを切り替えるのが大の苦手です。遊びでも予定でも、突然やめたりすると、強い癇癪を起したりパニックになったりします。
そして、視覚優位の子どもも多いので、「動画やゲーム」などは、定型発達の子どもよりも、さらに夢中になりやすい魅惑的な遊びです。
これを、「夕ご飯だから、そろそろおしまいにしなさい」などとやると、気持ちが切り替えられず大暴れになったりしてしまうのです。
コンテンツの内容を、やたらと信じる
これは特に娘なのですが、発達の偏りの特性として、
- 言われたことを真に受ける
- 言葉通りに受け取る
- 冗談がわからない
という性質を持つ子どもも多いです。
この状態でYouTubeのフェイクコンテンツやジョークコンテンツを見ると、それが嘘や冗談であることが分からず、完全に信じこみます…。
上述の通りで切りかえも苦手なので、1度インプットされた情報を修正するのに大変な労力を必要とします。インターネット動画を自分勝手に視聴させておくと、とんでもない学びをするかもしれません。
子どもとITとのかかわり方;小学校高学年になった娘の場合
娘がパソコンで遊ぶようになったのは、小学校3年生のころでした。
低学年のころはニンテンドー3dsはたまに遊んでいましたが、不器用だったので操作も上手ではなく、そこまで夢中でもありませんでした。
パソコンは、要求される手での作業が「キーボードを押す」「マウスをクリックする」だけです。娘は夢中になりました。
娘が夢中になったコンテンツは?
当時娘が興味を持ったのは、
- マインクラフト
- YouTube視聴
- ゆっくり動画の作成
などなど。私たち親の子ども時代には、考えられない遊びでした。
娘用のパソコンを購入した経緯
始めは、親のノートパソコンを使わせてやっていたのですが、
- ゲームが容量を食う、パソコンの動きが著しく遅くなる
- 不器用で、大事なデータなどを消しそうになる
- 不器用で、パソコンそのものを壊しそうになる…
などの多大な弊害が出たので、クリスマス・正月・誕生日を合わせて、思い切って娘にパソコンを買ってやることにしました。それも、娘のために、
- 壊しにくい
- 大きなモニターで目に優しい
- 思いきり楽しめる性能が欲しい
- HDDなども増設できるように
ということで、夫が選んでくれたのが、グラフィックボードもそれなりのモノを搭載した、デスクトップ型の「ゲーミングパソコン」でした(高価すぎるので、中古ですが)。
夢中になって、動画視聴やゲームをやめられない!
視覚優位だった娘は、パソコン遊びに熱中し、のめりこんでしまいました。
すると、「切り替えられない」という特性が見事に表面化。「食事」「排泄」「入浴」など、日常生活の場面ごとに、

まだゲームしてる!今やめたくない!
と癇癪を起すようになってしまいました。完全に、「ゲーム依存症」「インターネット依存症」の様相を呈していました。
切り替えられるようになった理由①パソコンとゲーム機取り上げの制裁
娘の状態を見かねた夫が、「パソコンとゲーム機を無期限で取り上げる」という強行制裁にでました。
下校後の楽しみを取り上げられ、娘のしおれようはかなりのものでした。ついかわいそうで、私も夫に許してやってほしいと相談しました。が、夫は冷徹に、聞く耳を持ちませんでした。
私は娘に、
- 取り上げられた理由
- 自分をどう改善していったらいいか
を一緒に考えるように提案しました。「無期限」ということが、娘にとっては永遠にも感じられたようでパニックになっていたので、夫に、

具体的な期限を明示してやってくれない?
とお願いしました。示された期限は、
期限を具体的に示された娘は、
- お絵描きや本読みなど、ほかの楽しみを見つける
- イヤでも我慢して、ハイと返事をする練習をする
など、切り替える方法を、子どもなりに一生懸命考えていた様子でした。
切り替えられるようになった理由②日常のルーティン化で、やめられるように練習
3か月ほどたって無事パソコンが返されたところで、切りかえやすいように、娘と話し合って、下校後のスケジュールをルーティン化しました。
- 宿題やる
- パソコン
- 夕食
- 弟と遊ぶ
- パソコン
- 入浴
- お気に入りの本を読んで就寝
といったぐあいです。スケジュールが決まったことで、切り替えるときに癇癪を起しにくくなりました。
もう一度取り上げを食らったものの、次も無事返却される
パソコンを返されて2か月後、娘はまたしても、うっかり衝動的に癇癪を起して、2度目の取り上げを食らいました。
しかしその時も、期限まで癇癪を起さないように気を付けて、無事にパソコンを取り戻した娘。小学校高学年になった今では、練習のかいあり、またインチュニブの影響もあってか、スムーズに切り替えられるようになってきました。
悪影響コンテンツが表示される!
娘の大好きな「ゆっくり動画」では、
- ブラックジョークやアニメのパロディ
- 学校組織のネタ
などのコンテンツも多いです。その中には、いじめを容認したり、エルサゲートに近いようなパロディになっているものがあります。
また、同じくお気に入りの「マインクラフトなど、ゲーム実況」でも、
- 血が飛びちったりする、残酷な事故などを演出
- 敵のキャラクターやモブなどを、陰湿ないじめのような形式で追い詰めていく内容
などの動画があったりします。
制限付きモードにしていても、網の目をすり抜けた、乱暴だったりかすかに性的な描写だったりするコンテンツが、表示されたりしてしまいます。
情報リテラシーが叫ばれるこの時代
子どもに、IT関連の機器を全く与えずに育てる、という選択肢もあります。でも、
は、本当に危ないことだと思います。とくに、発達に偏りがある子どもにとってはさらに、です。
便利なものは、使い方によっては危険なものになります。
個人情報の流出、炎上、インターネット依存症…未来には、もっと私たちなどには想像もつかないようないろいろな問題が表面化してくるかもしれません。
そして、この情報化社会の中で生きていくためには、大人になってからもIT機器を避けて通ることは、とても難しいことです。
親も子どもと一緒に、情報リテラシーを学びたい!
空気が読めない。言葉の「行間」が読めない。「自然に学ぶ」ことが苦手。
そんな発達障害の子どもたちには、むしろ、

親子で積極的にパソコンを共有して、ITの世界の利便性と危険性、情報リテラシーを一緒に学んだ方がいい!
と、私は考えています。それも、子どもが思春期に入り、親の助言が素直に聞けなくなってしまう前に、できるだけ親子で学びたいと思うのです。
リビングにパソコンを据え置きで、親子で共有しよう!
我が家では、「リビング学習」のために、娘の学習机はリビングダイニングにあります。そして学習机に設置してある娘のパソコンは、親も使用しています。
娘がYouTubeなどの動画を視聴するとき、私は台所にいても洗濯物をたたんでいても、様子を見ることができます。
また2019年9月、より安全性の高い「YouTubeKids」のWeb版がリリースされ、パソコンでも見られるようになりました。
娘にとっては物足りないかもしれませんが、現在では制限付きモードのYouTubeではなく、YouTubeKidsを視聴するように促しています。
どんなコンテンツの、どこが悪いのか、具体的に教える
乱暴な言葉づかいや陰湿ないじめ、残酷な場面や明らかなパクリなどのコンテンツになった時は、
- 親としては、この動画を見ないでほしい、という気持ち
- 見てほしくない理由(著作権法違反、下品、人を傷つける言葉、など)
- 親としては評価できないけれど、その世界観を好き・楽しんで見ている人もいる、という、「価値観の多様性」
を、ぼかさずはっきり言葉で告げるようにしています。娘は言語性が優位だからです。
フェイクなコンテンツや、憶測によるコンテンツなどは、
- コンテンツは、責任をもって作らない人がいるから、ウソということもあること
- 正しい情報
を伝えるようにしています。
なぜ情報リテラシーを学ぶ必要があるか、具体的に伝える
我が家では、見てほしくないコンテンツそのものだけでなく、
- リアルタイムで炎上しているコンテンツの問題点
- 著作権法違反は、どこからなのか
などのITに関する問題を、娘にも一緒に考えさせるようにしています。
発達障害のある娘は、炎上しているコンテンツを見ても、なぜ炎上しているのか、間違って認識していることも本当に多いです。認知の歪みで、情報の正しい分析が難しいのだと思います。
親子で一緒に考えてみることで、正しい情報分析の経験値を積むことができます。
子どもがスマートフォンを持つ日までに
子どもたちの、インターネット問題。これから我が子がさらに上の学年になれば、スマートフォンを持ち、親の知らない世界を作ってしまう…。今から悩んでいます。
その時が来たら、我が子を信用してIT機器を使わせてやれるように、親子でしっかりITの世界を学びたい。前途多難ですが、これからも工夫を重ねていこうと思っています。
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