発達障害の我が子、叱るか褒めるかの2択じゃなくてもいい。好ましくない行動への対応の選択肢

叱る寄り添う以外の選択肢もある発達障害の息子 娘の発達
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発達障害疑いで療育中の息子は、「自分の気持ち」に、とてもとても忠実です。

息子
息子

これやりたいんだ!

となったら、ただやるのみ!です。それが「やってはいけないこと」「危ないこと」であるかどうかは関係ありません。親や先生の気持ちなども、まったく考慮していないようです。

息子
息子

これはキライ!怖い!やらないよ!

となったら、暴れる、逃げるのみ!です。はたから見ると、ものすごく「わがままな子」に見えると思います…。

息子の行動は、

  • 発達凸凹の特性によるもの
  • つい甘やかしてしまって、本当にわがままになっている部分

があります。これが、親でも先生でも区別がつきにくいのです。

発達の特性なら、寄り添ってやりたい。わがままなら、きちんとしつけたい。叱るべきか寄り添うべきか?基準と判断が難しいところです。

発達凸凹の子どもだって、ちゃんと成長します。知恵だってつくし、ウソを言えるようにもなります。あんまり好き放題に放っておくと、小さな王様になってしまう。

「できないんだから、しつけをしなくてもいい」ということではありません。ちゃんと理解できるように、工夫して教えなくてはいけない。私はそう思っています。ですが、発達凸凹児のしつけなど、本当にうまくいきません。

先日、療育園で母子通園しているお母さん同士で、叱るか褒めるかが話題になりました。

母Aさん
母Aさん

発達障害があったら、怒っちゃいけないって言うよね?

でも、他の子に手を出したりすれば、怒るしかないんだよね…

母Bさん
母Bさん

いや、怒らないとか無理~。褒めろって言われても、なかなかそんな場面ない。

みどり
みどり

ほんとそれよ…

母Cさん
母Cさん

え~、むしろ私この前、発達の先生に「寄り添いすぎてる」って言われた…。どんなさじ加減なの、って感じ。

母Aさん
母Aさん

でも、叱っても諭しても子どもは全然言うことを聞かないし、ほめても寄り添ってもどんどん調子に乗るようにも見えるし…。

どこまで叱るか、どこまで寄り添うのか。どんなふうに叱ればいいのか。私だけでなく療育仲間はみんな、日々悩み葛藤しながら過ごしているのです。

今回は、我が子が好ましくない行動をとったときの親の対応について考えてみたいと思います。

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発達障害の子を、叱っちゃダメ?ほめなきゃダメ?

私は、まだ娘が小さかった療育初心者のころ、療育園の先生に、

できないことを叱ってはいけません。もっと褒めて。

と指導されました。以来、発達凸凹の子どもには「叱るか、褒めるか」の2択しかない、と思っていました。けれど、娘とともに発達凸凹の子どもの親として育ってきた現在は(今は脱療育ビギナーと自負)、

みどり
みどり

我が子が好ましくない行動をしたとき、親の選択肢って結構ある!

と、少しは柔軟に考えられるようになってきました。

発達障害の子どもは、叱ってはいけない、というわけではないのです。

感情的に怒ったりしても伝わらない、それどころかパニックになったりして間違った形で理解してしまう、だから叱り方・伝え方にとても工夫が必要、という問題であって、「注意しなくていい」「周りが我慢する」ということではありません。私は、そう思っています。

発達に偏りがある子は、「自然に学ぶ」ことがとても苦手です。

だからむしろ、周囲の大人が工夫を凝らして、「好ましい行動とは?」「好ましくない行動とは?」という情報を積極的にインプットしなくてはならないと思うのです。

そして「なにが好ましい行動で、何が好ましくない行動なのか?」も、これまた基準が難しいものです。家庭にもよるし、その子の発達度合いにもよります。発達に偏りがある子どもの場合は、やはり最初は基準を下げざるを得ません。ちなみに、当ブログ管理人みどりの許容範囲の順番と基準は、以下の画像の通りです。

発達障害の子の好ましくない行動の許容範囲

管理人みどりの、我が子たちの好ましくない行動の許容範囲と基準。こうして書き起こしてみると、ハードルの低さに我ながらがっくり来ます。

やはり、基準が低すぎでしょうか…。順番も専門家からお叱りがきそうです。娘や息子が大人になるころには、工夫と練習を積み重ねて、赤線と青線を下げていきたいです。

発達障害の我が子が好ましくない行動をしたら?対応の選択肢は、けっこうある!

親として発達凸凹の我が子にとれる対応は、「叱る、褒める」の2択ではありません。私が我が子たちに対してとっている対応は、

  • 叱る
  • 諭す
  • その行動を無視する
  • 別の選択肢を与える
  • 許す、寄り添う

です。本人の状況をよく観察し、

みどり
みどり

どうしたら伝わるか?

を最優先に考えながら、対応するように心がけています。

叱る

私は、私基準で「やめさせなければいけないこと」のときに叱るようにしています。主に、上図での赤線から上の項目のときです。

叱るときは、緊迫感が伝わるように、毅然とびしっと叱ることを心がけています。正直に言うと、言い方は娘の習い事の先生の言い方をマネしています(あの威厳は出ませんが)。

他にも心掛けている叱り方は、以下の通りです。

顔の正面で、目を合わせて叱る

我が子の正面にまわりこむか、肩をとんとんして振り向かせ、目が合ったところで叱るようにしています。どうも娘も息子も、後ろから叱っても聞こえていないようで、まったく反応がないのです。

理解できる言葉、伝わる言葉で叱る

娘は言語優位なのであまり気にしませんが、とくに息子に関しては「わかる言葉で叱る」ようにしています。理解できなければ、「怒られた」という悪い記憶だけで、学びが残らないからです。そのためには、子どもの日頃の観察が必要になります。

娘に対して気を付けているのが、できるだけ否定語を使わず肯定語で叱ることです。言語優位なためか、「ダメでしょ!」というような否定語を使うと、言葉に対する過剰なショックでパニックになりやすいからです。同じ叱りでも「○○してよ!」のような肯定語なら、パニックにならずに伝わるのです。

絵やジェスチャーも使って叱る

とくに息子には、絵を描いて叱るようにしています。言葉で言っても、たいがい伝わりません。絵を見せながら言い聞かせると、伝わる度合いが格段に上がります。絵を描いている間に、親の方は怒りの沸点がマックスでもクールダウンできる、というメリットもあります。

冷蔵庫に貼った発達障害息子のための絵カード

冷蔵庫に貼った絵カード。「息子くんが冷蔵庫を開けない、ママは開けていい」と教えました。これなら理解できます。

しかし出先や、今まさに危ないときは、絵を描いている余裕はありません。そんなときはジェスチャーを使って叱ることもあります。タンスを指さし両手で大きく×を作って「タンスにのぼらない!降りる!床に立つ!」と言った方が、ただ言葉で叱るよりも息子に入ります。

絵やジェスチャーは、日々使っていないと使えないので練習が必要です。

10秒で言い切れる量で叱る

叱るときは、10秒で言い切れる量で叱ることを心がけています。でも、10秒でも我が子たちは聞いているのが難しいかもしれません。息子はすぐに走って逃げるし…。とにかく「一言!」で、と心がけています。

特にワーキングメモリーが弱い娘は、長く叱っても本当に内容は伝わってくれません…。そして叱られる時間が長くなるほど、

娘

どうしよう…私よく分からないけどとんでもないことしちゃった…

という自責の念だけがつのり、すぐパニックになります。こうなると、泣きわめいて過呼吸になり、人の言葉など耳に入りません。長く叱ることは、本当に百害あって一利なしです。

同じトーンで、くりかえす

注意の言葉を、同じトーンで、何度か繰り返すことも、我が子たちには効果があります。

みどり
みどり

おにぎりを食べよう。

息子
息子

今遊んでる!

みどり
みどり

おにぎりを食べよう。

息子
息子

これ(おもちゃ)、今、見てるよ!

みどり
みどり

おもちゃ見てるんだね。おにぎり食べよう。

息子
息子

あとでだよ!

みどり
みどり

おにぎりを食べよう。

息子
息子

……はい。

という感じです。ちなみに、娘はもっと素直ですが…。

1度言っても聞けないとき、親子ともどもヒートアップしない方が、受け入れてくれたりします。ほかにやりたいことがあるとき、こちらの言葉を受け入れるのに、時間がかかるのかな、と感じます。

叱って、やめられたら褒める

叱った後、「ちゃんとやめられたら褒める」ことは必ずセットになるようにしています。「好ましくない行動をやめさせる」ことだけが目的ではなく、「叱られて、やめられる」という体験もつんでほしいからです。

これが、信頼できる相手から助言されたことを受け入れられるようになる、という成長につながってほしいのです。

命にかかわるときは、大声で叱ることもある

「大声で威圧的に叱ることは、発達障がい児にはよくない」と、よく言われます。

私もそれは、ナイーブな娘を見ているとそう思います。昔、娘の幼いころには、よくそれで失敗していました。怒鳴ったり、手を引っ張ったり…ひどい叱り方をしてしまったことも、何度もあります。我ながら情けないです。「本人に合っていない叱り方によって二次障害を起こすことがある」などと言われると、親としては正直びくびくしてしまいます。

けれど、だからこそ、どうしても許してはいけないことには、私はあえてその「大声で叱る」叱り方を使うこともあります。息子が道路に飛び出そうとしたときや、高いタンスから今まさに飛ばんとしているときなどです。

この叱り方だと、確かに「その場でやめさせる」ことはかなりうまくいきます。けれど、同じことをしない、と学んでほしいので、あとで落ち着いたときに「○○は危ない、やってはいけない」と知識として教えることとセットで使うようにしています。

諭す

諭す、よくないことだと説明することは、私基準で「できればやめてほしいこと」のときに使うようにしています。主に、上図の青線から上の項目です。

叱るときと同じで、「簡潔にわかりやすく説明する」ことを心がけています。

×と〇をセットで説明

諭すときには、「好ましくない行動」と「好ましい行動」をセットで説明しています。

我が子たちは、「○○しちゃいけません」と説明しても、

娘

では、どうすればいいのか?

なぜそうしなくちゃいけないのか?

が、なかなか自分で考えられません。わざとではなく、そういう特性なのです。諭すときは、

みどり
みどり

嘘をついてはいけない。

あなたが本当にやったことを言って。

あとでウソがばれたら、ママの怒りが3倍になるから。

という感じです。黄色マーカー部分の言葉は、内心、

みどり
みどり

そこまで言わなきゃだめですか…?

と思いながら言っています。

普通の子なら、「嘘つくな」と言われたら「『本当のことを言え』って事か」と自動的に思ってくれるのでしょう。ですが、我が子たちはここがなかなかできないのです。

振り返りもセットで

叱っても諭しても、本人が胸くそ悪い気分の状態だと、こちらからの言葉が十分に伝わりにくいです。いい年の大人でも、そんなものではないでしょうか。

我が家では、子どもも親も落ち着いて話ができる状態になったら、あらためて振り返りをするようにしています。振り返りをして「好ましい行動」「好ましくない行動」の定着を図ることで、次へのステップを促すことができます。

でもこれは、素直な娘だからできることかもしれません。息子も現在、嫌がらずに振り返れるように練習中ですが…うまくいっていません。

ご褒美もセットで

ご褒美をあげることは、定型発達の子どものしつけでは眉をひそめられることもある手段です。ですが、視覚優位の発達凸凹児には、「好ましい行動をしたら、こんな良いことがある」という見通しがしやすく、「好ましい行動」が理解しやすくなります。理解できたら、ちゃんとできるのです。

ご褒美という、よい結末の「可視化」で、しつけがスムーズになるのです。

好ましくない行動を、無視する

これは主に我が子が「気をひこうとして、してほしくないことをしている」ときに使うやり方です。家族が食事中なのに、遊びたくて「ねー来て、こっち来て!」などと騒いでいるときなどです。

こちらの状況は説明してから無視

しかし、完全に無視すると、我が子たちは「なんで無視するか?」が考えられません。「今はごはん食べてるから無理」などとひとこと説明して、応じないことを告げます。

息子などは、これでたいてい癇癪を起こしますが、こちらまでもカーッと反応すると子どもがますますヒートアップしてしまうのです。

こちらの状況に寄り添ってくれたらほめる

ごくたまに、「わかった、待ってる」「僕も食べる」などと、こちらの状況に寄ってこようという姿勢が見えることがあります。それができたら、ほめまくるようにしています。ほめることで「好ましい行動」を体得しやすくなると思うからです。

まあ、本当は一緒に座って食事をしてほしいのですが…息子にはまだハードルが高すぎます。

別の選択肢を与える

「ふざけて楽しくてやめられない」とか「切り替えられない」ときに、叱ったり諭したりせずに「○○しようよ」と別の選択肢を提示することで、上手に切り替えられることがあります。

もっと楽しいことを提示する

選択肢を与える、ということは簡単ですが、本人にとって「今より楽しくない」ことだと意味がないです。なので、本人が「やってみたい」と思える選択肢を出すことが必要です。親が瞬時に知恵を絞ることになります…。

「今度はおにぎり食べて、食べたらクッキーも食べよう!」など、先を見通せるようなご褒美もセットで示してあげると、よりうまくいくと思います。

切り替えてやめられたらほめる

別の選択肢をとれたら、すかさず褒めるようにしています。

我が子たちにとって「切り替える」ということは、どうやら大変な労力のようです。この時点で、普通の子よりも頑張っているのだ、と思うようにしています。

みどり
みどり

こんなことくらいで褒めるのか…

とイライラ感じますが、親の方が、悟りが必要です…。

許す、寄り添う

本人の特性上、がまんさせるのは厳しい」と思われるときには、叱ったり諭したりせず、寄り添うようにしています。

  • 感覚過敏でがまんができないとき
  • 偏食が強くて、どうしても食べられないとき
  • 忘れ物失くしモノ
  • 勉強のケアレスミス食べこぼしなどなど…

などです。

子どもが成長して、できるようになればなるほど、親としてはつい、ハードルを上げすぎるきらいがあります。私もつい、叱ってしまうことがあります。

でも、ADHD不注意優勢が強い娘に、「モノを無くすこと」や「食べ物をこぼすこと」を叱っても、直すことは本当に難しいです。毎日毎日練習しているのです。それなのにやらかしてしまう…わざとではない上に、本人もできないことにたいへんな劣等感を持っています。そんなときに叱ってみても、ますます落ち込むだけで、メリットがないのです。

感覚過敏が強い息子に、ご飯しか食べられないことを叱っても、食べられないものは食べられないのです。押さえつけて無理に食べさせると、嘔吐してしまうのです。どうしても怖くて療育園のトイレを使えないからと、いくら叱ってもトラウマになるばかりです。

みどり
みどり

もし自分が同じ立場だったら、言われたら悲しい…

ということは、言いたくないのです。

効果的な伝え方を模索して、我が子をステップアップさせたい!

発達障害だから、できない。

私は我が子のことをできるだけそう思われたくないし、我が子たち自身にも、そういう風に思ってほしくない、と考えています。

では、今できることは何なのか。スモールステップを積み上げ、できることを増やして、人とは違う形だとしても伸びていける、そう自信を持たせてやりたいのです。親としても、そう自信を持ちたいのです。

なかなか難しいことですが、そのために叱り方や諭し方を工夫しながら、親子で成長できるようにしていきたいです。

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