建てて10年以上になる、田舎の我が家。そんな我が家の、住みやすいポイントの1つが、「リビング続きの和室」です。
この「リビング続きの和室」という間取りは、日々の生活にも本当に重宝です。何より、私たち家族のさまざまなライフステージの変化に寄り添ってくれる「優しい間取り」でもありました。

そんなリビング続きの和室ですが、やはり10年以上も暮らしていると、生活の中で、

これはつけておいて良かった!
という設備や機能、それに、

ちょっと贅沢だけど、これ付けておいたら良かったなあ…
という設備や機能が、いくつか出てきました。今回は、そんな「つけてよかった設備」と「つけてみたかった設備」についてまとめてみたいと思います。
つけて良かった!リビング続きの和室に最初から設置した設備の紹介
家を建てる計画段階で想定していた「リビング続きの和室」の使い道は、
- たまの泊り客の宿泊部屋
- 子どものおひるね場所
- 洗濯物干し場
でした。それに合わせて、新築当時から設置していた設備・便利な機能が、以下の4つです。
間仕切りの障子
誰かが泊まるための部屋にするなら、プライバシーを確保するために、間仕切りの障子やふすまは必須です。我が家は部屋の明るさを確保するために、ふすまではなく「障子」を選びました。
お客様がいらしているときだけではなく、子どものお昼寝のとき、子どものインフルエンザなどの看病のときには、ふすまよりも障子の方が、部屋の中の気配も伝わりやすく便利です。

ソファの後ろが間仕切りの障子です。フレームが白なので、意外と洋室のリビングにもなじみます
この障子は、「アルミ障子」です。歪みも出にくく耐久性に優れ、軽くてすべりも良く気に入っています。
続き和室専用のエアコン
続きの和室には、専用のエアコンも設置しました。来客時や障子を閉めて使いたいとき、真夏や真冬でも部屋が快適に使えます。
エアコンには空気清浄機能もついているので、障子を閉めきって子どものおむつ替えをしているときでも、においがこもらず快適です。
ふすま3枚引きの押し入れ
リビング続きの和室の押し入れのふすまは、3枚引きの開口になっています。これは、客用布団の出し入れをするときに本当に便利です!

3枚引きのふすまの押し入れ。写真はふすまを閉めたところです。
ふすま2枚引きだと、実際に布団などを出し入れする開口部の大きさは80cm前後になります。それが3枚引きのふすまなら、開口部は160cm前後と、広々とした状態です。幅が100cm前後の客用布団も、楽々取り出せ、しまえます。

こちらは押し入れのふすまを開けたところです。3枚のふすまをすべて右に寄せると、開口部はふすま2枚分で広々です。
室内選択物干し(ホスクリーン)
リビング続きの和室の天井には、室内で物干しがつるせるホスクリーン(川口技研)を取り付けました。頑丈ですっきりしていて、部屋干しするときにとても便利です。
田舎では、近隣の野焼きや薪ストーブの使用も多く、外に洗濯物を干すと煙のにおいが気になります。また、息子以外の家族全員に花粉症があるので、洗濯物が外に干せない時期もかなりあります。そんなわけで、我が家ではホスクリーンは本当に重宝しています。
外したいときはワンタッチで簡単に外せて、外した後の見た目もすっきりです。
続きの和室専用のエアコンの前にホスクリーンを取り付けたので、急いで乾かしたいものや大量の洗濯物があるときにもすぐに乾かすことができます。

天井に取り付けたホスクリーン。2か所に取り付け、軽量物干しざおを渡して使用しています。
生活に合わせてリフォーム!リビング続きの和室をさらに便利に
娘の成長、ダブルケアの介護生活、息子の誕生…家族のライフステージが変化することで、リビング続きの和室の使い道もどんどん変化しました。そんな中で2度、和室の小規模なリフォームを行いました。内容は、
- 畳敷き→じゅうたん敷き
- 手すりの設置(介護保険使用)
- サンルームの増設
でした。
畳敷きを、じゅうたん敷きに変えた
来客のときに布団が敷きやすいのは、畳だったけれど…
介護・介助が必要な夫の祖母を引き取って1か月ほどしたところで、夫の祖母から「このお部屋、畳をやめて、じゅうたん敷きにしたいんだけど…」と相談されました。
もともと来客用の部屋だったので、客用布団をひくためには畳の方が好都合でした。しかし畳は、足裏にかかる力の方向によっては、すべるのです!手すりにつかまって、足を踏ん張ってようやく立ち上がる夫の祖母は、そのまますべって何度か転びそうになっていました。
祖母は「畳の上に、じゅうたんを敷いてくれるくらいでいいのよ」とも言っていましたが、そうすると、すり足気味で歩く祖母は、じゅうたんの縁に足を引っかけてやはり転びそうになります。危険なので、業者さんにお願いして畳をあげ、新たにクッション材とじゅうたんを段差なく敷き詰めてもらいました。
今後の介護のことも考慮して、防火・防汚効果に優れたじゅうたんを選びました。飲み物をこぼしても粗相をしても、拭きとればおおかたきれいにすることができるじゅうたんです。
じゅうたん敷き、かかった費用は?
6畳ほどの和室なので、工期は1日で終わりました。費用は、じゅうたん代と工賃を合わせて4万円弱でした。
和室と廊下、手すりの設置(介護保険利用)
ごつい手すりの取り付けで、新築なのにちょっと残念な気持ち
足腰も弱り、目もほとんど見えない祖母が1人でトイレや洗面に行けるように、壁に手すりを設置してもらいました。
最初から手すりの設置を想定していたら、壁にも補強を入れられるのですが、我が家のように突発的に手すりを付けようとすると、壁に土台を取り付けてから設置しなければならず、出来上がりはずいぶん「ごつい」ものになってしまいました…。

新築なのに、ちょっと残念…
それでもトイレや洗面のたびに祖母に付き添わなくてもよくなり、私の負担はかなり軽減されました。
手すりの設置、かかった費用は?
介護保険を利用することができたので、祖母の負担は1割で済み、実際に負担した金額は2万円弱でした。
洗濯物が干せるサンルームを設置した
祖母が気軽に外の景色を楽しむためにサンルームを設置
夫の祖母が同居し始めて1年余りたったところで、夫の祖母から「私の部屋から直接出られる、サンルームを作りたいんだけど…」と相談がありました。
住み慣れた土地から引っ越してきて、デイケア以外に気軽く外出もできなくなってしまった夫の祖母。そんな生活の中、晴れた日にひなたぼっこをしながら不自由な目で庭を眺めるのが、彼女の楽しみでした。洗濯物も、「日の当たるところに、自分で干したい」という自立への思いもあったようでした。
それで、リビング続きの和室の掃き出し窓の外に2畳半ほどの広さのサンルームを取り付けました。これで祖母は、出たいときに陽だまりに出ることができるようになり、自分の服や下着は自分で干し、サンルームから庭の花を眺めることができるようになりました。
祖母がホームに入居した今現在のサンルームは、洗濯物干しに、息子の遊び場に、とありがたく使わせてもらっています。
サンルーム増設、かかった費用は?
これは、外の基礎工事とウッドデッキ工事も合わせて行ったため、合計で100万円ほどかかりました。サンルーム部分は祖母が、ウッドデッキ部分は我が家の家計から負担しました。
もし、リビング続きの和室にさらにオプションをつけるとしたら…
10年以上の生活の中で、ライフステージが様々に変化した私たち家族。もし今、初期状態に戻るとしたら、

さらにこんな機能もついていたらよかったな…
と思うオプションを、以下にまとめました。
和室から水回りに直接行ける出入口…むしろ、和室専用のトイレと洗面!
我が家のリビング続きの和室は、1度リビングに出てきてからダイニング・水回りなどに出る間取りです。でも本当は、せめて「水回りに直接つながる出入り口」はつけておけたらよかったと思います。
水回りに向かうのにちょっとした遠回りの道なのですが、毎日のこととなると、意外と気になります。「まっすぐ行けない」ということは、けっこうストレスなのです。それに、たまの来客時、病気の看病に和室を使うとき…などなど、水回りに関しての独立性が必要な時って、意外とあるのです。

我が家の間取り絵図。直接まっすぐ廊下に出られたら、もっと暮らしやすかった…。ささいなことに見えても、日常生活の中では煩わしいものです。
もっとぜいたくを言えば、リビング続きの和室に「専用のトイレと洗面」があれば、ホテル仕様になって本当に便利だったと思います。
介護・介助のために祖母と同居しているときにも、本当は、

「和室専用のトイレと洗面」がついていたらどんなに良かっただろう…
と思うことはよくありました。
トイレや洗面などの水回りを共用していることで、タイミングや臭いなど、私にとってはストレスに感じることもしょっちゅうでした。おばあちゃんが長時間トイレを占領していて、トイレトレーニング中の娘が入れなかったりとか…。
そんなときにも和室に専用のトイレと洗面があったら、もっと精神的にも楽で、介護自体ももっと楽だったと思うのです。

もしこんな風に、リビング続きの和室専用のトイレ&洗面を付けていたら、泊り客にも介護のときにも便利だったと思います。
水回りの不便や不満は、生活の中での大きなストレスにもなります。我が家では、費用的にも構造的にも難しくて断念しましたが、もしこれから家を建てる方で介護の予定がある場合は、居室に専用の水回りをつけることを強くお勧めします。
ちなみに、一応ハウスメーカーに「専用のトイレ・洗面の増築」の予算を見積もってもらったら、400万円ほどだそうです…。
押し入れだけど、クローゼット用ハンガーパイプ
今現在、リビング続きの和室の押し入れは、娘と息子、ついでに私の普段着や夫の下着も入れ、ファミリークローゼットとして使っています。理由は、
- 発達凸凹の娘と、衣類の管理を練習しやすい
- 干して乾いた洗濯物をしまうことが、その場でできてとても楽
だからです。
こんな使い方は、最初は想定していませんでした。あくまでも客用布団やお雛様などを入れる押し入れとして使うつもりで、設計図の段階では中棚と天棚を入れました。しかし、この押し入れの中に入っている布団は客用布団だけで、普段は使いません。だから、続きの和室をフル活用する現在の日常生活の中では、

押し入れとしてより、クローゼットとしての機能の方が、大事…
ということになってしまっています。
こんなことなら、中棚ではなくクローゼット用ハンガーパイプを取り付けてもらえばよかったです。押し入れの中棚は、布団を入れる、という機能には特化していて使いやすいですが、それ以外の用途に使用するときは、かなり邪魔になってしまっています。
リビングダイニング側にも、専用のしっかりした収納
リビング続きの和室は多目的に使えて、大きな押し入れもあるので本当に便利です。リビングからすぐに取りに行けるので、ティッシュなどの在庫の管理にも使えます。
しかし、我が家にはリビングダイニングの方には大した収納スペースがありません。それでますます、このリビング続きの和室をすっかり頼りにしてしまうことに…。頼りにしすぎていて、いざ泊まりの来客のときには、けっこう困ってしまいます。

もしリビングダイニング側にも、専用のしっかりした収納が作り付けてあったら、もう少し便利だったかな…
とも思います。
泊まりに来るのは、主に私たち夫婦の実家の親たちなので、そこまで気を遣う相手ではありません。ですが、着替えにも物干しにも使っている便利な部屋なので、泊り客がいるときには、住んでいるこちらが下着、普段着、パジャマなど、旅行に行くような荷造りをする羽目になります。
贅沢いえばきりがないけれど、暮らしやすさに設備は重要!
家の暮らしやすさをアップするために、今はいろいろ便利な設備が選べます。もちろん、予算の都合もあり、何でも贅沢に取り付けることは一般庶民には難しいことです。でも、10年、20年という長いスパンでの暮らしやすさを鑑みたとき、設備にある程度の初期投資をすることはとても重要だと、私は思います。
使い勝手が悪い部屋、快適ではない部屋は、使わなくなったり、ただの物置部屋になってしまいやすいものです。せっかくがんばって手に入れた我が家だから、住んで、愛して、使い倒したい!
これからおうちを建てる方は、ぜひちょっと贅沢に、設備投資をしてくださいね。

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