情報化社会に生まれた、我が家の発達凸凹姉弟。娘も息子も、テレビ番組よりもYouTubeやアプリを楽しむことが多いです。
ADHD不注意優勢&自閉症スペクトラムのある娘は、もう小学校高学年。
「親子で一緒に情報リテラシーについて考え、ITについて親子で学ぶ」という関わり方が実践できています。
しかし、息子がYouTubeを覚えてしまったのは、たったの3歳。
おまけに発達に大きな偏りがある子どもで「コミュニケーション能力に多大な問題を抱えて」います…。
娘と同じやり方は、全く通用しません。インターネットで遊ぶにあたってのルールすら、なかなか覚えてくれません。

発達凸凹の息子に、YouTubeやアプリを覚えさせてしまったことは、ちょっと時期尚早だったな…
と、私は少し後悔しています。
しかし、知られてしまったものは仕方ありません。かくなる上は、どうしたら上手に使わせられるか、あわよくば息子の発達に良い影響に変えられないか、私は日々模索しています。
今回は、そんな3歳だった息子の、ITとのかかわり方についてまとめました。
いわゆる「虚無動画」を好んだ3歳息子
息子は、年の離れた姉のことをよく観察していて、あっという間にYouTubeやアプリなどの使い方を覚えてしまいました。隠しても隠しても、あっという間に探し出します。電源の入れ方もWi-Fiのつなぎ方も、1度見て覚えてしまいました。
そんな息子が好む動画コンテンツが、いわゆる「虚無動画」です。
とくに息子が好んでいたのが、大好きな踏切にいろいろな色の電車がひたすら通る動画や、ひたすら数字がカウントされていく動画、ひたすらひらがなが読み上げられていく動画です。
虚無動画って?
虚無動画とは、ストーリー性が薄く、電車や文字、キャラクターなどの単純な動きが続く動画です。
「気味が悪い」「受け付けない」などの声もよく聞かれますが、私がそういう種類の動画を見た時の感想としては、

あかちゃん向けの絵本の、動画バージョンみたいな感じ??
幼児教室のフラッシュカードにも似てるな。
幼い子どもとの、お人形遊びみたいな世界観??
という思いを持ちました。
「だるまさんが」や「しましまぐるぐる」などの絵本と同じような、フレーズの繰り返しの続く動画。1~2歳の子どもたちが、ぬいぐるみを使って親とする「ウサギちゃん、こんにちは」などの原始的なごっこ遊びと似た、キャラクター人形を動かして遊ぶ動画。
いかにも子供が好みそうですが、大人が見ても、面白さがさっぱり理解できない動画です。これを、大人のYouTuberが黙々と1人で撮影・制作している姿を想像すると、不気味に思う気持ちや受け付けない気持ちを持つ人もいるかもしれません。
「単純なくりかえし」は、理解しやすく安心できる
こどもにとっては、「単純なくりかえし」は、絵本でも遊びでも、理解しやすく安心できる構造です。保育園でやるような手遊び歌や体操、テレビの子供番組などでも、多く取り入れられています。
特に、自閉症児にとっては「単純なくりかえし」というものは、安心してうっとりと浸れる事象です。娘よりもさらに自閉傾向が強く視覚優位な息子にとっては、虚無動画はとても魅力的なのも、うなづけます。
目に悪影響も?見せすぎに注意
しかし、虚無動画に夢中になりすぎで、流れるセリフと動きを完全コピーし、1人で黙々と再現して遊ぶ息子。これには得体のしれない危うさを感じて、根拠もありませんがあまり見せすぎないようにしていました…。
また、際限なく見せることは、目にもあまり良くないと思われます。スマートフォンや携帯ゲーム機などの小さな画面では、なおさらです。
そのような心配も考えながら、時間的にある程度の制限を持たせたいとは思っています。ものすごく癇癪を起すのですが…。
下記のサイトの記事では、虚無動画を子どもが見ることへの影響について、専門家が見解を述べています。
コミュニケーション能力が低い息子は、情報リテラシーもルールも伝わらない!
息子は、「自分の意志」以外の行動規範が、きわめて弱いです。

ご飯のとき、YouTubeは片づけます。

今、見てるよー!

電池が切れたら、ゲームは充電します。

今、見てるよー!!

イスに座って、ご飯を食べます。

食べられないんだよー!!!
と、いくらルールを伝えても、息子は聞く耳を全く持たず、癇癪を起してばかり。15分ほど泣きわめいた後、座りもせずに皿からおにぎりを1つつまんで、すぐにおもちゃの場所へ遊びに行ってしまう状態でした。
療育中の3歳だった息子が、ルール作りで難しかったこと
息子の特性として、
- 興味関心のないことでは、言語理解が低い
- 納得できないことは、やらない
という部分が、インターネット遊びのルール作りで足を引っ張っていました。
こちらの意図が、とにかく伝わりづらい息子。たとえきちんと伝わっても、「やるかやらないか」は「本人の意思のみで決定」です…。なので、好ましい行動をとらせることが本当に難しかったです。
息子に分かりやすいように、ルールは「絵カード」「ごほうび制」で
YouTubeに夢中になるだけあって、やはり「視覚優位」が顕著な息子。こちらの意図を伝えるために、我が家では「絵カード」「ごほうび制」を使うようにしていました。
例えばご飯でYouTubeを一時停止したいときは、
- 「①おにぎり→②YouTube」と、順番をふった絵カードをまずつくる
- 絵カードを見せながら「おにぎり食べたら、見ていいよ」と説明
- 食べられたら、ほめちぎって、ごほうびのYouTube点灯
という感じです。「やりたくないことの後に、いいことがある」と先が見通せると、「やってみよう」という気持ちを引き出しやすいです。
もちろん、そうそうすぐにうまくは行きません。まずは、おにぎり1つから練習しました。年齢が進んだ最近は、一口おにぎり5つまでがんばれるようになりました…。親の方が、

先が見通せない…
と、めげそうになります。
しかし、練習することで少しずつ、こちらの意図が伝わり始めた息子。工夫しながら、少しずつでもルールを身につけさせるしかないのだと思います。

あとは、YouTubeがなくても泣きわめかないように、ママやパパや私が、必死で遊んでやるしかないね!
まだ幼児のうちは、「コンテンツは親が選ぶ」ことが重要
ルールも徹底できない、IT機器のつかい方だけはどんどん覚えてしまう3歳児だった息子。悪質なコンテンツや広告にアクセスしないように、
ということを徹底するようにはしていました。そして、
ということにも気を付けていました。これも、息子とのいたちごっこだったのですが…。
YouTubeは、制限付きモードよりも「YouTubeKidsアプリ」で見よう
YouTubeは、そもそも「あなたが13歳未満の場合、YouTubeウェブサイトを利用しないで下さい。」という規約があります。
そしてYouTubeは、制限付きモードをオンにしていたとしても、そのフィルターは結構緩く感じます。露出度の高いアニメや乱暴で刺激的な広告も、それなりに表示されてしまいます。
それで、息子には、
ということにしていました。これなら、そこまで刺激的な広告は出ません。
しかし、残念なことに、YouTubeKidsはアプリしかなく、大きな画面では、Wi-Fiが搭載されたスマートテレビかゲーム機などでしか見られません。少し手間です。でもできれば、スマートフォンの小さな画面でなく、大きな画面で見せた方がよさそうです。
※2019年10月追記
YouTubeKidsのWeb版がフォローされ、ブラウザからもYouTubeKidsを見られるようになりました!
clipboxを使う手段もある→現在ではclipboxはダウンロードできません
clipboxアプリは、YouTubeの動画などを保存しておき、好きな時に見ることができるアプリです。オフラインでも使用できるので、こちらに安全な動画を集めておいて子供に見せる、という手段もあると思います。
というか、オンラインで使用すると、見せたくもない広告が表示されてしまうので、子どもに使用させるときはオフラインにしておく方がいいと思います。
我が家では、息子があっという間にオンラインにする方法を覚えてしまい、とても困っていました。
2019年5月追記;
clipboxアプリは、現在はダウンロードできなくなりました。
clipbox+というアプリがダウンロードできますが、著作権の問題等で、YouTubeを録画することができません。子育てに利用していた親にとっては、たいへん不便になりました…。
clipboxを以前からダウンロードしていたスマホ、タブレットなどに関しては、現在も利用できるようです。しかし、そのうちにYouTubeが大きなアップデートをした際には、使えなくなる可能性も高いようです。
アプリは基本、オフラインで使う!
YouTubeに限らず、
ということも重要だと思います。(我が家では、いまだに徹底できていませんが…。)無料のアプリは、どうしても子供におとなしくしてほしいときに本当に便利ですが、とにかく見たくない広告、見せたくない広告が多いです。
もう少し息子とコミュニケーションが取れるようになったら、「ママとパパだけが、オンラインにできる」というルールを覚えさせたいと思っています。
視覚優位の息子は、YouTubeで覚えられることもある
いろいろ書いてみると、息子にとって害悪ばかりのようなインターネット遊びですが、動画を視聴することのメリットもあります。
誰かが泣いていたとき、人とぶつかってしまったとき…日常生活のいろいろな場面で、どんな言葉を言ったらいいか。それを、息子はYouTubeで覚えているようです。
娘が泣いていると、

泣かないで、元気出して。
私が咳をすると、

大丈夫?
おいていかれそうになると、

待って!私も行く!(←男子ですが)
といった感じです。返事の内容はおかしいことも多いのですが、「こんな場面で、こう言ったらいいのか」と息子が自分で考えてことばを言い始めたことは、とてもうれしい成長です。
そうは言っても、ルールの徹底もコミュニケーションの発達も、まだまだな息子。できるだけIT機器に子守ばかりさせず、たくさんふれあってやらなければと思っています。
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