大荒れだった3歳児健診で、母子通園療育を勧められる~息子のこれまで⑥

3歳児健診で引っかかってしまった大荒れの息子 息子の発達
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2歳児健診のあとから参加した集団療育を卒業し、1段階レベルアップした「グループ療育」に参加し始めた息子と私。

療育のレベルが上がったことで、息子は、

  • 偏食なのに、自分からお茶を飲むことに挑戦した
  • 工夫すれば、指示が入りやすくなった

など、かなりの成果をあげることができました。「みんなと一緒に活動すること」自体を楽しめるようにもなってきました。

グループに喜んで参加している息子を見ながら、

みどり
みどり

これで、来年保育園に入るときも大丈夫そうだな…

と、私は本当にホッとしていました。

ところが、グループ療育をはじめてもうすぐ3か月というころに行われた、3歳児健診でのこと。息子は大荒れで、ほとんどまともに健診を受けられませんでした。そして提案されたのが、グループ療育よりもさらに段階が進んだ、母子通園療育でした。

正直私は、受け入れられない思いでいっぱいでした。

みどり
みどり

この子は本当は、もっとちゃんとできるのに…

今回は、そんな3歳児健診での息子の様子と、母子通園療育に進むことになったときの親としての気持ちを、思い出してみたいと思います。

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3歳児健診で引っかかり、砕かれた親の期待

グループ療育のときには、いつも落ち着いて、親や先生の指示も聞けるようになってきていた息子。

みどり
みどり

健診でも、きっとおりこうにしていてくれる

2歳児健診で、保健師さんやほかの親御さんたちに白い目で見られちゃってたけど、きっと今回は大丈夫!

と、私は息子におおいに期待していました。

ところが、健診会場での息子は、おりこうどころではありませんでした。大騒ぎ、大暴れ、大泣き。保健師さんやほかのお友達などには目もくれず、全身全霊ですべてを拒否していました。

私は、自分の期待とのあまりのギャップに、ただただショックで、暴れる息子を抑えるので精いっぱいの状態でした。

3歳児健診で、大荒れだった息子

息子の荒れっぷりは、親の私でも見たことがないレベルでした。

みどり
みどり

私の息子が、3歳の子が、こんなに暴れられるものなの…?

と、一瞬、恐怖感を覚えるほどでした。

そして、一瞬でも、可愛い大事な息子のことを、怖いなどと考えた自分を呪いたくなった、つらい健診時間でした。

静止しても、興奮して走り回る

息子は健診中の待ち時間を、ほとんど走り回っていました。

たくさんのこどもや、その保護者がいる中でも、まるで海の荒波の中を泳ぐ魚のように、ものすごいスピードでするすると走っているのです。腕をつかんでやめさせても、余計に興奮してこちらの手を振りほどき、逃げ出します。

付き添いで来ていたよその赤ちゃんを踏みそうになってしまって、保健師さんと2人がかりで取り押さえる事態になりました。

保健師さんの問診を断固拒否

保健師さんの問診になると、こちらをチラッと見た息子は、すぐに逃げ出して部屋のすみで身構えていました。そばにいって、

みどり
みどり

机のところに行こうね。

と呼び掛けると、床にひっくり返って、

息子
息子

やー!

と泣き、ゴロゴロ転がって拒否していました。

無理して座らなくてもいいですよ。

と言われた息子は、少し安心した様子で、暴れるのはやめました。それでもこちらと距離をとりながら、部屋のすみでおもちゃで遊んでいました。

会場の外に脱走

内科検診のために服を脱がせてそれをたたんでいた、その一瞬のスキをついて、息子はすごい勢いで会場の外の廊下に脱走しました。慌てて追いかけてつかまえましたが、私がお腹に蹴りを食らう暴れっぷりでした。

内科検診の前には、保育園の給食の試食が行われていました。当然、偏食な息子は、試食会場に入っただけで食べられませんでした。ですが、これが拒否感に拍車をかけたのかもしれません。

歯科検診で、かたくなに口を開かない

内科検診の後に行われた歯科検診では、息子は口をギュッと結んで、かたくなに開けようとしませんでした。仕方がないので、私が無理やりあごをはさんで、こじ開けることに。終了後、息子は泣いて大暴れしていました。

ハミガキ指導のとき、ほかのこどもたちは親御さんの膝にゆったりと頭をあずけ、何のためらいもなく口を開いてハミガキをしてもらっていました。

我が家ではいつも、私が息子を足で押さえつけて、身動きがとれないようにして磨いていました。周りの子どもとの差に、私は言いようのないショックを感じました。

3歳児健診、荒れてしまった原因は?

いくらなんでも、息子は平常時なら、もう少し穏やかに健診を受けられるはずでした。こんなに荒れてしまったのには、ちゃんと原因があったのです。

尿検査の採尿を、むりじいしたから

3歳児健診には、尿検査がありました。検尿は、検診の当日の朝、各家庭で採尿して持っていくことになっていました。

息子はこの時点では、家でならトイレに誘導すれば排泄ができるようになっていました。それで当然のように、朝トイレに連れて行ったときに採尿しようとしたのです。

ここで、息子が採尿用の紙コップを見るなり、

息子
息子

ちーやだ!

と言い始めました。その日は朝からグループ療育に出かける予定もあったので、私は焦っていました。それでうっかり、

みどり
みどり

怖くないから、早くちーしなさい!

と、強い口調で叱ってしまったのです。これが間違いでした。

息子は、

息子
息子

しない!しないよ!

と号泣しながら大暴れで排泄を拒否。ここから1時間近くわめき続けました。朝ごはんも断固拒否です。

あきらめて紙パンツを履かせ、グループ療育に出かけた私と息子。そして、2時間半のグループ療育を終えて帰ってきてみると、まだ紙パンツが濡れていなかったのです。

みどり
みどり

叱ったことで、チーするのを何時間も我慢して、拒んでしまうなんて…。

あまりに頑固な息子に、私は衝撃を受けました。

仕方なく、息子に気付かれないように、トイレにすっぽりはまるサイズの洗面器を便器にこっそりセット。その後しばらく、お気に入りのショベルカーで遊んで機嫌をとってから「ちーしようね」と促すと、息子は露骨にイヤそうな顔でしたが、ずっと我慢していたのもあり、ようやく用を足してくれました。

そんなわけで、何とか採尿は成功しましたが、この時点で、私と息子はへとへとでした。採尿しなければ…と、私は必死になってしまっていました。これが、息子を過度に興奮させたことは明らかでした。

午前中のグループ療育で、疲れていたから

朝の採尿に失敗した後に、朝ごはんも食べずに出かけた、グループ療育。さんざん泣いて大暴れした後だったからか、グループ療育では、息子はいつにもましてきちんと参加していました。落ち着いた様子で、サーキット遊びも体操もとても頑張っていました。

ここで頑張りすぎたので、午後の3歳児健診では、もう体力も精神力も限界に近かったのかもしれません。グループ療育にフル参加したので、お昼寝の時間も、ほとんどとれていない状態でした。

さらにレベルアップした、母子通園療育の提案

大荒れの3歳児健診。

いろいろあって、くたくたに疲れていた息子にしてみたら、どうしようもない、というより当然の反応だったと思います。しかし、やはりその場で、療育の先生との再々面談が設定されました。

再々面談で、母子通園を提案される

息子は、その日の午前中のグループ療育でも、療育の先生とお会いしたばかりでした。

健診時の息子と、グループ療育時の落ち着いた様子とのギャップに、先生はとても難しい顔をされていました。

みどり
みどり

きょうの息子、とっても疲れてたんです。無理やり採尿したりしたもんですから…。グループ療育も頑張ってたし…。

こんなに暴れたの、私も見たことないくらいなんです。

と、私は朝からのてん末を説明しました。せめて息子のフォローに、と思ったのです。すると先生が、改めて私の方に向き直りました。

お母さん。

息子くん、今頑張ってグループ療育に来てくれてるんだけど、思い切って母子通園に移ってみたらどうだろう。

確かに、いつもの息子くんなら、きっともっと落ち着いて健診を受けられたと思う。

でも、悪条件になったとき、今日みたいな状態になっちゃったのも、本来の息子くんの部分なんだと思う。

今日の様子を見ると…。

ここは早いうちに、思い切ってみっちり療育する方にシフトした方が、長い目で見たとき、息子くんのためになると思う。

先生はそうおっしゃって、おもちゃで機嫌を直して遊んでいる息子を見つめました。

みどり
みどり

母子通園…?

そんなに?

そんなに息子は、普通じゃなかったの?

みどり
みどり

先生、いつもの息子を、ご存知ですよね?

いつもは、もっといい子ですよね?

先生の提案を聞いた私は、頭の中がそんな思いでいっぱいでした。しばらく何も言えないまま、私も息子を見つめていました。

母子通園療育とは?

母子通園療育は、発達に偏りや遅れを持つ子どもが、親と一緒に療育施設に通園しながら受けられる療育です。

この地域では、2~3歳児だと週3日の通園が基準になります。月2回のグループ療育と比べて、療育の質も量も、格段にレベルアップします。

つまり、それだけ発達の遅れや偏りが重度の場合に、提案される療育なのです。

「いつもの息子」と「本来の息子」

慣れた場所でなら、落ち着いていられる「いつもの息子」。でも、疲れや慣れない場所のような悪条件で解放されてしまう、「本来の息子」の部分。

療育を受けるにあたって、どちらの困り感によりそうべきなのか。それはやはり、悪条件でうまくいかない「本来の息子の困り感に、照準を合わせるべきものだと思います。

就園、就学、受験、就職、結婚…。息子の生きていく道には、いろいろな「初めてのこと」が想定されます。息子はこのままでは、そのたびに、慣れない環境で力を発揮できずにつらい思いをする。それは、容易に想像できます。

難しいなりに、困ったときに自分の進み方を自分でも模索できるように、今から支援する必要があるのです。

自分なりのやり方を見つけながら、「本来の息子の中にいる本当の息子の力を、引き出せるようにしてやらなければいけないのです。

予測される「困り感」と、そこからつながっていく自己肯定感の低下

現時点で、息子本人が困っているのは「偏食」くらいです。まだ3歳なので、やりたくないことはやらない、で、すべてが通ってしまいます。

しかし、保育園での集団生活が始まったら、慣れない場面や想定外の出来事の連続です。「いつもの息子」で、いつでもいられるかどうか。正直、難しいと思います。

このままでは遊びでも行事でもお昼寝でも、大多数のこどもが楽しみとしている食事ですら、彼にとってはつらいことになります。すべてがうまくいかないことは、火を見るよりも明らかです。

そして、生活すべてで自己否定されるであろう息子の、自己肯定感の低下も、想像に難くありません。そして、自己肯定感が低くなることは、これから遠い先の未来まですべてに悪影響をおよぼします。「生きるのがつらく、自分のためにがんばれなくなる」かもしれないのです。

娘の発達凸凹とずっと付き合ってきて、自己肯定感だけは守らなくてはいけない、と、私はよくよく分かっていました。親としては、息子のために提案された母子通園療育を、受け入れるしかありませんでした。

グループ療育を辞め、母子通園療育へ通うことに

息子のグループ療育はその月末で終了することが決まり、母子通園療育を受けるための手続きが始まりました。

もっとしっかり療育ができるよ、と夫

夫に、

みどり
みどり

グループ療育よりもっと療育のレベルをあげなくちゃいけなくなったから、母子通園に通うことになった。

と告げると、いつも冷静沈着な夫も、

そうなの?

と、さすがにちょっと驚いた様子でした。ですが『理路整然』とか『費用対効果』とか『機能美』とか、そういった論理的なものを好む夫は、

まあ、よかったんじゃない?公的な支援が優先的に受けられて本人のためにもなるんだろ?

しっかり療育してもらえるんだし、いいことじゃん。

と、息子が療育を受けなくてはいけないという現状を、必要以上に深刻にはとらえていないようでした。

みどり
みどり

ああ、きっと私の心の重さを、夫は理解はしてくれても共感はしてくれないだろうなあ…

と、少しさびしく感じるとともに、夫の悲観的ではない考え方に、救われる部分も多くありました。

親として、認めたくなかった私の気持ち

私の方はというと、母子通園療育の手続きを進めながら、

みどり
みどり

親なのだから、現実は受け入れなくてはいけない…

と、自分に言い聞かせて納得しようとしていました。いまここで積み上げておかないと、この子はこの先、本当につらい思いをするだろう、と思うようにしていました。

 

それでも、心の中には、受け入れきれない気持ちが渦巻いていました。

みどり
みどり

母子通園に通うほど大変な事態なのだろうか…

と…。

みどり
みどり

だって、息子が一番調子が狂ってるときだったんだから。母子通園にいったら、息子は優等生すぎるんじゃないかな…

と。

娘の療育や、特別支援学級での生活をずっと見てきて、私は知識も経験もそれなりに積んできていたはずでした。それでも、「息子の発達の偏りを指摘されること」は、私にとっては受け入れがたく、つらいことでした。

私は、療育の先生方や夫の前では、いつも「息子の発達の偏りをきちんと理解できている母」であるように装っていました。でも、本当の私は、弱くて、親としても未熟でした。

可愛くてたまらない息子に、

みどり
みどり

発達障害があるかもしれない。

などとは認めたくない気持ちでした。

新たに始まる母子通園療育生活

3歳児健診での大荒れで、息子は、グループ療育から母子通園に移ることになりました。それでも私は、そこまで徹底的な療育が本当に必要だろうか、と懐疑的に思っていました。

けれど、新たに始まった通園で、思っていたよりもずっと手ごわい「本来の息子」を、私は目の当たりにすることになりました。

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