ADHD不注意優勢&自閉症スペクトラムがあり、特別支援学級に在籍している我が家の娘。
娘は小さいころから、片付けや整理整頓が苦手です。発達に偏りがある子どもにはよくある話ですが、娘も例外ではありません。
一方、親である私の方は、暇なときにはインテリア雑誌をめくり、子どもが生まれる前はインテリアショップをまわることが好きだった人間です。片付かない娘の机周りに、イライラさせられることも多いです。
そんな娘と長年お片付けの練習をしてくる中で、試行錯誤の中でたどり着いた方法が、
- 放り込み収納
- 引っ掛け収納
- リビング学習
- 机の共有
でした。
以前のこちらの記事では、「放り込み収納」と「引っ掛け収納」についてまとめました。
今回は、「リビング学習」と「親子での机の共有」についてまとめたいと思います。
子ども自身の中に、片付けや整理整頓の意識を芽生えさせたい!
発達に偏りがある子どもにとっては、何をするにも大切になってくるのが、やりたいと思う気持ちです。
娘もご多分にもれず、モチベーションが上がらないことにはエンジンもかかりにくく、やる気がしないものは後回しにしてしまうところがあります。
でも、将来大人になり、親から離れて暮らす時が来たら、必要最低限の片付け・整理整頓ができなくては、本人がとても困ることになります。そうならないために、

娘本人が「片づけたい!」という意識を持ってほしい!

片付け・整理整頓においても、「成功体験」を増やしてやりたい!
という思いを、私は親として強く持っています。「リビング学習」と「勉強机の共有」は、その思いについても一役買ってくれています。
片付けに「やる気を持たせる」ことは、できる?
自発的に、片付けできるようになってほしい。整理整頓にやる気を持ってほしい。そして、最低限の片づけを習慣化してほしい。
でも、発達に偏りがある子どもにやる気を持たせることは、とても難しいです。子ども本人が、

片付け楽しい!片づけたい!やりたい!
と自分の意志で思わなくてはいけないからです。

片づけないと、モノがなくなってしまって自分が困ることになるから、片づけなくちゃ…
などという理論攻めにしても、否定から入ると、子どもはその気になれないことが多いです。
また、発達障がいの特性で、
- 不器用
- 注意力散漫
- 空間認識の難しさ
などがあれば、子どもは「片付けられる」という見通しが立たず、あっという間に嫌になってしまい、「やりたい」という気持ち作りにブレーキがかかります。
でも、発達に偏りがある子どもには、片付けのやる気を持たせることなど無理なのか?私は、そんなことはないと思っています。
やり方が分かり、片付けの過程と利点の見通しがついて、その方法が簡単だったら、

ちょっとやってみようかな…
くらいには思ってくれるのではないか、と思っています。
まずは、片付けのシステムつくりから
発達に偏りがある子どもに限らず、子どもと片付け・整理整頓の練習を始めるためには、まずは「片付けのシステムづくり」からだと、私は思います。
最初は、親の方も、

どうしたら娘が片づけやすいのか…?
がよくわかっていませんでした。
そんなわけで、娘が小学校低学年のときは「片付ける」こと自体がとても苦痛そうでした。そもそも「片付ける」ことそのものが、まったく定着しませんでした。学用品でも着るものでも、すべて私が管理していました。(今でも結構そうですが…)
娘自身の手で片づけることを練習させるためには、まずは子ども本人の特性に合った、片付けのシステムを整えることが必要だったのです。
システムを整えて、
- こうすれば、簡単に片づけられる!
- 片付いていたら、大事な本がどこにあるかわかる!
という見通しをつけることで、ようやく、

できるかも…やってみようかな…
という娘の気持ちの成長につながったのです。
システムが整ってきたら、習慣化できるように練習あるのみ
モノの管理が全くできていない娘に、私は本当に危機感を持っていました。

このまま片付けが習慣化しなかったら、大人になった時にモノの管理ができなくなってしまう…
と。
片付けのシステム化が必要だと気がついてからは、娘をよく観察し、できそうな方法を見つけては練習させるように気を付けていました。そこまでやっていても、何とか形になった片付けのシステムは、
- 放り込み収納
- ひっかけ収納
がやっと、でした。
でも、娘が大人になるまでには…。
そこまでにはせめて、通帳や印鑑、家の鍵など、絶対的に大事なものがどこにあるのか、自分で把握できるスキルを、最低限、身につけさせてやりたいのです。
発達に偏りがあっても、長い時間をかけて練習することで「最低限の片付けの習慣化」はできます。そのために、まずシステムを整えることが、第一歩になるのです。
システムを整え、あとは練習あるのみ、です。
リビング学習と勉強机の共有は、親子で一緒に練習するためにとても有効
片付けのシステムづくりに大切だったことは、
- 娘の観察
- 親子で一緒にする練習
でした。これをスムーズにしてくれた方法が、リビング学習と机の共有でした。
我が家では、娘の学習机はリビングダイニングに置いています。そして学習机は、家族で共有しています。このリビング学習と机の共有の、片付け・整理整頓分野での有効性について考えてみました。
リビング学習の、片付け・整理整頓でのメリット
娘の学習机がリビングダイニングにあることは、「片付け・整理整頓」の練習を親子一緒にやることに、とても都合がよいです。
道具のしまい方、使い方をチェックしながら、一つ一つ指導していくことができます。親子でできることも増え、次の段階も見極めやすいです。
失敗から学ぶこと、自分で解決策を考えることが苦手な、発達障害である、娘。親子で一緒に、正しいかたちで何度も練習することで、ちゃんとスキルアップしていくのです。
そのために、いつも目の届くところに勉強机を置いたことはとても役立っています。
勉強机の共有の、片付け・整理整頓でのメリット
娘の勉強机は、パソコンデスクでもあり、家族みんなで共有しています。あまりにも散らかっていては、他のメンバーが使えません。

次にママが使いたいから、机の上を片付けて。

大事なものはしまっておこう。
そうしないと、息子くんに壊されちゃうよ。
などの声掛けで、片付けをしなくてはいけないモチベーションにすることができます。こまめにしまわざるを得ないので、1回の片付けも、そこまで苦にならなくなります。
そして、ごくたまに、言われなくてもモノが机の上にないときは、

ちゃんと片付けられたね!ママが使うのに助かったよ!
と、大げさにほめる材料にもなります。そういう状況になるように、こっそり仕向けることもあります。
この「机の共有」は、娘が「自分のモノを他人に使われるのに無頓着」だからうまくいっていますが、自分のモノに執着するタイプの子には難しいかもしれません。例えば息子とか…。
自分でやらせて練習させなければ!分かっちゃいるけれど…

娘にできるだけやらせなければ…練習させなければ…
と思っていても、わたしはついつい、娘の片付けに手を出してしまうことがあります。
ついつい、親が手伝ってしまう
娘は、自分の問題点に自分で気がつくのが苦手です。多分、片付け・整理整頓に関しても、こちらがやってあげているだけでは、いつまでもやらないし、できるようにならないでしょう。
しかし親の方も、不器用な娘に片付け・整理整頓をやらせる根気がなかなか続きません。机がリビングダイニングに置いてあるので、散らかっていればどうしてもイライラします。そしてつい、

しょうがない。
今日は、やってあげるわ。
と手を貸してしまうこともよくあります。
でも、遠い将来を見越した時、
- 娘が「片付けたい」と思える
- 娘が「片付ける方法」を知っている
という状態に持って行くことはとても大切です。そのために今、子どものうちから、

自分で片付けられた!
という成功体験を、増やしてあげたい…。そのために、手伝うことをぐっと我慢できるようにならなくてはいけません。私も心掛けるようにしています。
子どものレベルに合わせて、次のステップを見極めるのが難しい
発達に偏りがある子どもでも、練習することで片付けのスキルアップをすることはできます。
しかし、1つなにかできるようになったところで、もう一段階、課題のレベルを上げる。これがなかなか難しいものです。
不器用でパニックになりやすい娘は、レベルに到達していないことを自分でやれと言ってもうまくいかないのです。
片付けスキルを求めるとき、本人にそれができるレベルになっているかどうか見極めることも大事で、そしてなかなか難しいのです。こればかりは、きめ細かく子供を観察するしかありません。
先は長そうです。親子ともども、これからもしばらく、修業期間が続きそうです。
リビング学習と机の共有が、親子のよい思い出になるように
片付けの練習も、家庭学習も、私はつい口うるさくいってしまい、娘にとってはうるさくてイライラする面もあるでしょう。
でも娘が将来大人になったとき、

リビングダイニングにあったあの机で、ママといつも勉強してたな…
ママはいつも、これはこういう風に片づけるといい、って教えてくれていたな…
と、懐かしく思い出せる、そんな育て方をしたい。
母としてはまだまだですが、少しでもそんな理想に近づけるように、娘に寄り添いながら過ごしていけたらと思います。
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