発達に偏りがあるお子さんをお持ちの親御さんなら、
- 習い事を、やらせるかどうか
- 習い事をするなら、なにをやらせたらいいか
ということを、1度は悩むと思います。私もそうでした。
小さいころからとにかく気がちり、不器用だった娘。知能検査を見ても、得意な分野と苦手な分野の差が大きすぎて、発達が凸凹だった娘。
私は、そんな娘に「習い事」をさせることで、

得意分野を伸ばしてやりたい。
何か1つでいいから。
だれにも負けないくらいに、人に誇れるくらい、天才になれるくらい伸ばしてやりたい!
それに、苦手分野を、少しでも改善してあげたい…
と、夢見ていました。
誰にも負けないことがあれば、集団の中でうまくいかない娘でも、自分に誇りをもってやっていける…と思ったし、注意欠如や不器用などが改善されれば、普通の子と同じように暮らせる…と思っていたからです。
しかし、習わせ始めてみても、ついていけなかったり、娘本人が全くやる気がなかったり…親の思惑通りには進みませんでした。
親の方も、すべてがなかなかうまくいかない娘に、

特別支援学級に在籍している娘なのに、習い事を習わせているなんて、他のメンバーの親御さんは迷惑だと思っているかもしれない…
などと、疑心暗鬼で卑屈な思いを持ってしまったことも、何度もあります。
結局、娘がこつこつと続けている習い事は、娘が自分の意志で始めた「バレエ」の1つだけです。
得意分野を、だれにも負けないように伸ばす習い事でもありませんでした。むしろ苦手なことばかりでした。正直、協調運動に問題がある娘には、本当に向いていないと思います。もし、発達障害のお子さんにおすすめの習い事を、個人的に聞かれたら、とりあえずバレエは、絶対におすすめしません。
けれど、バレエを、下手でもあきらめずに続けていることそのものが、娘の自信であり、自慢になっているのです。
今回は、娘の習い事について、ふりかえっていきたいと思います。
ADHD・自閉症スペクトラムの娘がつづけた習い事は、バレエだった
娘は、4歳の誕生日から、バレエを習い始めました。最初は週1回、1.5時間ほどのレッスンでしたが、現在は週2回、3~4時間ほどのレッスンになっています。
やってみた理由;娘が泣いてやりたがったから
私はもともと、アニーやピーターパン、劇団四季に劇団キャラメルボックスなど、「ミュージカル」を鑑賞するのがとても好きです。幼いころは、そのような歌って踊れる俳優にあこがれていて、自分も踊りや演技を習えたらいいのに、と夢見ていたくらいです。
時は流れ、私は結婚し、娘が生まれて、しばらくたちました。
あるとき、夫と観にいった劇団四季の「アンデルセン」の中で、劇中劇の形でバレエが披露される場面がありました。
バレリーナが踊るのをじかに見たのは、それが初めてでした。
その迫力のある美しさに、私は感銘を受けました。そして、

娘も、こういう舞台芸術が好きになってくれたらいいな…。
と思いました。
それからしばらくして、近くのバレエ教室で、発表会がありました。私はさっそく、娘と出かけてみました。娘は夢中になって舞台を見つめ、小さなバレリーナたちを見ると、

私も一緒に踊りたい!
と、上演中なのに立ち上がって、舞台に駆け寄ろうとしてしまい、私は慌てて止めました。
帰宅してから、娘は、

私も踊りたかった、みんなと踊りたい。
と、なんと2時間も、延々と泣きました。体力のない普段の娘からは、考えられない執着ぶりでした。それを見た、当時同居中だった夫の祖母が、
「こんなに泣いてるんだから、お金がかかっても、習わせてあげたら?私もちょっとは援助するわ」
と言ってくれました。私自身も、娘がそんなに「舞台」を好きになってくれたのがとてもうれしい気持ちでした。
もうすぐ4歳、というころだったので、きりがいいように、4歳のお誕生日を過ぎたところからバレエ教室に入会しました。
しかし、娘の特性には、まったく合っていなかった
娘には、協調運動障害があります。手足それぞれで複雑な動きをすることは、尋常ではないレベルで苦手です。
しかし、娘は療育中ではあったものの、当時はそんな知識も持っていなかった私は、

バレエで鍛えてもらったら、不器用さも改善されるかも!
という、大きな期待を持っていました。しかし、実際にレッスンを始めてみると、改善どころか、ついていくことも難しいレベルでした。
レッスン時に気がちる
レッスン自体は、みんなで柔軟をしたり、音楽に合わせていろいろなステップを踊ったりするもので、娘は楽しそうに参加していました。
しかし、いくら楽しくても、「気がちる」のは変わらず…ちょっと目を離すと、レッスン中に、窓から外を眺めていたりします。
発表会では、さらに高いレベルを求められる
バレエでは、小さいうちでも発表会があります。その発表の場に向けて、
- みんなで同じ動きで踊ること
- 舞台上での自分の立ち位置を覚えること
- 曲の中で、登場と退場のタイミングを覚えること
が必要になってきます。これは、娘にとっては、難易度が高すぎる課題でした。
発表会の練習で失敗すると、怒られるのはお姉さんたち
発表会の練習のときには、なかなか自分のポジションや、曲の後に袖に入るタイミングが覚えられない娘。しかし、踊りの後に、万が一にも娘が舞台上に取り残されていると、そこで先生にこっぴどく怒られるのは、娘ではなく、一緒に踊る先輩のお姉さんたちです。
「うまくいかない小さい子を、気が付かないで放っておいて、自分たちだけ袖に引っ込むなんて、人として最低です!手を引いて連れて行きなさい!」
という具合です。私は娘が迷惑をかけるたびに、お姉さん方やその親御さんに謝り、いつも小さくなっていました。
どのお姉さんも親御さんも、「みんなそうやってやってきて、上手になっていくのよ。気にしないで」と優しく言ってくれました。
あまりのできなさに、辞めさせたくなるものの…
この時点で、私はバレエを習わせ始めたことを後悔して、やめさせようか…と何度も思いました。しかし先生は、
「お母さん。子どもの成長は、1回の発表会なんかではなく、大人になるまでの長い目で見るものです」
と、いつも私を諭されていました。
レッスンのレベルアップと、コンサータの服用
そんな娘も、習い始めて1年たち、2年たち、曲がりなりにも練習に参加できるまでになってきました。
小学2年生の後半にさしかかったころ。娘は、それまでの小さい子のクラスだけではなく、お姉さんたちと一緒に「バーレッスン」を受けるクラスに、レッスンをレベルアップされることになりました。
バーレッスンで、いよいよついていくのが厳しくなる
バーレッスンは、それまでの、リトミックのような楽しいレッスンと違い、一つ一つの動きに集中しながら、ステップを磨き上げていくレッスンになります。
娘は、当然のことながら集中できず、バーにつかまったまま眠ってしまったり、ぼんやりしていて動くのを忘れていたり…。先生に、
「今日はもうやらなくていいです。帰りなさい」
と言い渡され、レッスン場から出される、ということが何度もありました。もう、いよいよ難しいかもしれない。私はそう思いました。
辞めたくなくて、号泣した娘
しかし、ここで、娘はバレエを辞めることを、泣いていやがったのです。

私もちゃんとやりたい。バレエずっとやりたい。

でも、どうしてもぼんやりしちゃう。

私は本当にちゃんとやりたいのに、どうしたらいいか分からないの…
そう言って、レッスンの後にいつも号泣していました。あまりにも、かわいそうでした。それで、私は、娘のコンサータ服薬について、初めて前向きに検討し始めたのです。
コンサータの服用開始
もともとコンサータをすすめられていた
実は、小学校入学直後から、発達外来では、「コンサータの服用を、検討してはどうか」と、すすめられていました。
1年生時の下校中、何度も迷子になった娘。カタツムリが這っているのを見つけると、それが道路のど真ん中でも、しゃがみこんで車に気がつかない娘。通学路が長かったこともあり、あまりにも危険なので、

登下校中に命を守るために、コンサータを飲ませることも考えてみてはどうですか?
とすすめられていました。ただその時は、インターネットでもコンサータの怖い情報ばかりが書かれ、食欲不振や頭痛などの副作用も怖くて、私は断っていました。
しかし、その登下校中の危険は、その後も全く改善の兆しが見られないこと。自分がどうしてもやりたいことが、自分の特性のせいでうまくできずに、小学校2年生にして挫折し、号泣している娘。
あきらめさせる前に、コンサータを試してみても、いいかもしれない。私はそう考え、夫とも話し合い、娘にコンサータの服用を始めてみました。
コンサータの服用で、娘のQOLが上がった
コンサータの効果は、目をみはるようでした。道路を、車に気を付けながら歩けるようになり、宿題をやるための時間も短くなりました。バレエでも、バーレッスンのときに眠ってしまうほどぼんやりすることが、激減したのです。
もちろん、魔法の薬ではないので、娘がなんでもできるようになったわけではありません。意欲のない通信教材などは、あいかわらず、やる気は出ませんでした。
しかし、
という効果は、娘の生活を、ぐっと豊かなものにしました。(それでも人に比べると、ぼんやりしているのですが…)
娘は、学校生活でもバレエでも、自信を持って取り組むようになりました。
今では娘は、ついにトゥシューズを履くことを許されました。そして、ちょこちょこぼんやりして怒られながらも、レッスンに励んでいます。
バレエのメリット
娘にとっては、はっきりいって難易度が高すぎる習い事である「バレエ」ですが、あきらめずに続けてきたことによって、たくさんのメリットがありました。
娘にとっての、療育的な面
バレエは、リズム感・体幹・柔軟性・体の優雅な動かし方・美しい姿勢・1曲踊りきるための体力…いろいろな能力を、総合的に磨いていくレッスンが行われます。
協調運動に問題がある娘にとっては、どれもこれも極度に苦手なことばかりです。
しかし、バレエをどうしても続けたかった娘は、難しい練習も、逃げ出さずにずっと続けました。
この、「苦手なことだけど、自分の意志で、ずっと続けた」ということが、娘の協調運動などの苦手分野にとって、素晴らしい療育になりました。
療育にいちばん有効なことは、「好き」「楽しい」という気持ち
療育は、楽しくて好きなことでないと、続きません。でも、療育は苦手なところを伸ばしていくものなので、「楽しみながら続ける」ことは、実際にはけっこう大変です。
バレエのレッスンは、娘にとっては今でもつらいものです。レッスン前になると、大きなため息をついていることも多いです。
それでも、そのつらいレッスンを、好きだからこそずっと続けられている。
それが、苦手分野である体幹の訓練や協調運動の、訓練になっているのです。
バレエ以外、娘は、運動することは嫌いです。絵を描いたり、ゲームをしたりすることが好きなのです。協調運動障害を抱えていれば、当然の気持ちだと思います。
だからこそ、バレエに出会ってくれて、続けてくれて、ありがたいのです。
先生が、自閉症に理解がある
娘がついているバレエの先生は、福祉関連の事業をされています。お仕事柄、自閉症についても、実際に担当されていたり発達障害についての講習会に参加されていたりで、とても理解があります。
理解がある先生だからこそ、へたくそでもバレエが好きで、やめられずにがんばっている娘を、何とか少しでも伸ばしてやりたい、と思ってくださっています。娘の理解の仕方に合わせて、指導をこまかく上手に配慮してくださいます。
娘は、特別扱いではない
先生の思いは、娘だけを「特別扱いしたい」ということではありません。「娘を特別扱いする」のではなく、「教え子の1人」として、伸ばしたいと思ってくださっているのです。
どの子も、伸ばしたい。娘は、その伸ばしたい子の1人として、大切に育ててもらっているのです。
そして、たまに踊っていらっしゃる先生の踊りは、本当に美しいです。見ていると、心が洗われていくようです。親子ともども、先生のファンにもなっているのです。
先生もメンバーも教室の場所も、変わらない
バレエは、学年が上がっても、それでクラス替えが行われたり、指導者が変わったりすることはあまりありません。教室の場所が変わることも少ないです。もちろん、新しく入ってくる子、やめていく子はいますが、学校よりも、環境の変化はかなり少ないです。
この、「メンバーや環境が、大きく変わらない」という特徴が、娘にとってはとても居心地がいいようです。
娘がバレエを辞めたくないのは、「バレエが好き」だけではなく、「もはや、辞めること自体がつらい」という、こだわりの部分でもあります。
娘は、年度替わりのクラス替えのときも、もうすぐ修学旅行だ、などというときも、なにしろすぐに情緒不安定になります。「いつもと違う、環境が変わる」ということが、とても苦手なのです。
習い事は、いつも似たルーティンです。発表会のスケジュールも、毎年大体同じです。娘にとっては、不安になる要素が少ないのです。
そして練習がつらくても、辞めなければ、環境は変わらない。環境をかえたくなくて、娘はがんばっている部分もあります。
これは、これから先、場合によってはデメリットになるかもしれない、とも思います。例えば、就職した先がブラック企業なのにやめられない、などは困ります。
あこがれのお姉さんたちを、見ながら育つ
バレエを辞めずに続けている先輩のお姉さんたちは、どの子も「まじめで、努力家」です。そうでないと、続かないのです。
舞台の上で、美しい踊りをするために、お姉さんたちは日々、地道で厳しいレッスンを黙々と続けています。娘はいつも、そのお姉さんたちと一緒に練習しています。
あこがれのお姉さんたちが、地道に努力しているのを実際に見ていることで、先の見通しを立てるのが苦手な娘も、「これからどんな風に練習していったらいいか」が、考えやすく、理解しやすいのです。
あんな素敵なお姉さんに、私もなりたい。「そのためには、どうしたらいいか」の逆算が、娘にも、しやすいのです。
辞めたくないから、厳しく指導されても我慢と努力ができる
バレエのレッスンは、本当に厳しいものです。
娘だけではなく、どんなに上手な子でも、先生の厳しい指導の手が緩むことはありません。むしろ、トップを目指す子には、鬼のような指導です。
発表会のお手伝いの関係で、私もたまにレッスンを見学しますが、ビシビシ怒られている娘を見ると、私はいたたまれない気持ちになって、本当に逃げ出したくなります。正直、不器用な娘にそこまで言わなくても…パワハラ?と内心思うことは、結構あります。
不器用な娘は、もちろん、怒られる回数も多いです。よくもまあ、続けるものだと思います。けれど、娘は、

先生が厳しいのは、私たちにうまくなってほしいからだよ。

私はちゃんとわかってる。
と言って、たまに涙をこぼしながらも、先生の厳しい指導に対して、愚痴を言いません。学校の友達からは、ちょっときつく言われただけで、

私は嫌われてる!私はダメなんだ!
と、大騒ぎの大泣きなのですが…。幼いころからの長年のレッスンで、娘は先生のことを、信頼しているのです。
先生は、あまり褒めることもありません。でも、たまに褒められると、娘は有頂天になっています。
舞台という、総合芸術の多面性を体験できる
バレエの発表会は、練習を積み重ねた子どもたちだけでできるものでは、もちろんありません。
親たちも総出で手伝う、衣装の着せ付け、舞台袖での誘導、会場設営…。舞台監督さんや、照明さん、音響さん、大道具さん。進行を担当する司会者の方や、カメラマンさん。花束を作るお花屋さん、食事の手配をお願いするお弁当屋さん。そのための費用をお手伝いしてくださる、スポンサー企業の皆さん。
たくさんの人の力で、発表会は開催できます。
その方たち皆に、子どもたちは始まる前にきちんとご挨拶をし、発表会終了後にはお礼を言う、ということを、小さいときから徹底して指導されます。これは、娘だけではなく、どの子にとっても素晴らしい体験です。
娘は、何度かの発表会の経験を通して、

将来、お花屋さんになって、花束を作ったりフラワーアレンジメントがしてみたいな…
という、さらなるあこがれの対象を見つけました。
バレエのデメリット
娘の苦手分野の強力な訓練になっているバレエですが、もちろん、メリットばかりでなく、デメリットはそれなりにあります。
親の負担が大きい
とにかく親が、つらい。金銭的にも精神的にも、負担が大きい。これが、バレエを習うにあたって、唯一にして最大のデメリットではないか…と私は思っています。
金銭的な負担
バレエに限らず、踊り関係の習い事は、舞台がある分、どうしてもお金がかかります。トゥシューズなど、道具の費用もばかになりません。発表会費用は、計画的に積み立てないと、一般家庭ならとてもまわりません。
我が家は不器用でついていくのもやっとなので、それでも金銭的負担はそこまでではありません。ですが、トップを目指し、上手になればなるほど、レッスン費用もコンクール費用も発表会費用も、青天井でかかると思います。
金銭的な負担がネックになって、学年が上がると、進学塾などの学費との兼ね合いになり、辞めていく子も多いです。娘は勉強の方は、発達の特性上、もはやあまり期待できないので、せめてもの人間形成にと、バレエを続けている、という感じですが…。
精神的な負担
親同士の関係による、精神的な負担もかなりのものです。
我が家のように不器用だと、他のメンバーに迷惑になっている…と常に感じます。
ただ、娘が習っている教室では、他の保護者の方から娘について文句が出ることはなく、むしろ皆さん「娘ちゃんは努力してるんだから、お母さんも応援してあげなくちゃ!」とハッパをかけてくれます。先生が頑張らせたい、と思っているので、皆さんそれに賛同しているのです。
それでも、あまりに上手にできないと、「内心、邪魔だと思われているのでは…」と、卑屈な気持ちになりやすいです。私の問題かもしれませんが…。
一方、トップを目指す上手な子の間では、どうしても親同士もギクシャクしやすいようです。親もかなり本気で子供をサポートすることになるので、ライバルのことを冷静に見るのは難しいものだと思います。
それぞれの思いを抱えた親同士で、それでも協力し合い、舞台を作っていかなくてはならないので、それなりに気を遣います。私はそういうことが、娘と同じで苦手なので、とても負担に感じます。
レッスン室のお掃除、先生方の送迎、予算の管理など、雑務の負担も大きいです。保護者同士、交代で行うのですが、小さい子がいたり、働きながらだと、なかなか難しいです。
それでもバレエをやらせてやりたい
しかし、この大きなデメリットがあっても娘を辞めさせないのは、娘の頑張りを応援したいだけでなく、私自身が「舞台芸術」に魅せられてしまっている、ということが言えます。
私自身も、夢中になってしまっているのです。
娘が、習い事で目指していること
普通の子が、バレエで目指しているのはどんなこと?
バレエを習っている女の子が、1度は踊りたい…とあこがれ、目指しているのは、大体次の3つでしょう。
- 主役や、重要な役を踊る
- コンクールに出て、賞をとる
- パドドゥ(男性の相手のいる踊り)を踊る
これを実現するためには、
- 金銭的・精神的な親の全力サポート
- 本人の抜きんでた才能
- 恵まれた容姿
- 誰にも負けないくらいの努力
- 運
など、すべての面での基準をクリアする必要があります。
これらのあこがれを実現できた一握りの人が、さらにプロを目指して競い合う、という、とんでもない世界が、バレエの世界の頂点です。
娘が、バレエで目指していること
娘は、気が散り、不器用で、親は資産家でもなく、そんなトップの世界は夢のまた夢です。娘本人も、

そんな大変なこと、私には到底できない。
と言います。
でも、バレエの先生は、バレエはトップの世界の人たちだけのものではない、とおっしゃっていました。どの子も、バレエを通して、肉体的・精神的な鍛練を重ねることで、立派な人間に育てて社会に送り出したい、と。
娘が、先生についていき、目標にしているのは、そこなのです。
- 少しでも、上手になるために頑張りたい
- あきらめたくない
- 高校を卒業するまで続けたい
これが、娘の目標です。十分、難しい目標だと思います。
年齢が上がるにつれて、求められるレベルも上がり、レッスン時間も増え、コンサータにも頼っている。こんな状態では、達成できない目標かもしれません。でも、これは娘のやる気で、こだわりで、心のよりどころなのだと思います。
きっと娘の未来に、この努力が無駄になることは、決して、ない。そう思って、私たち親も、できる範囲でサポートしています。
娘がバレエに出会えて、本当に良かった
発達に偏りがある子どもとその親にとって、習い事は、考慮しなくてはならないことがたくさんある、それなりにハードルの高いものです。
それでも、本人がやる気を持って取り組み、何かを伸ばしていける環境に、もしも、出会えたら。自信を無くしがちな生活の中で、どれほどの得難い経験になるでしょうか。
我が家では、3歳の息子の習い事については、まだまだ模索中です。娘とは、性別もタイプもすべて違う息子ですが、彼に合った良い出会いがあることを、私は祈っています。
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